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(鳳凰三山) 薬師ヶ岳 ・2,780m 観音ヶ岳 △2,840.4m 韮崎市・南アルプス市(旧中巨摩郡郡芦安村)境界
地蔵ヶ岳 △2,764m 韮崎市・北杜市(旧北巨摩郡郡武川村)境界
参考図書 ヤマケイYAMAP C 北岳・甲斐駒・仙丈・鳳凰三山(山と渓谷社) 花の百名山 下 (山と渓谷社) 山と高原地図 41 北岳・甲斐駒・南アルプス(昭文社)
1日目
歩行時間 7時間08分 歩行距離 9km
行程 青木鉱泉駐車場05:54→林道06:04→中道登山口06:37→伐採地07:30/07:36→林道出合07:39→薬師ヶ岳3時間道標08:48→苔岩09:03/09:09→御座石10:13/10:23→薬師ヶ岳の肩11:43/11:51→薬師ヶ岳11:53/12:12→観音ヶ岳12:49/12:54→鳳凰小屋分岐13:13→鳳凰小屋13:56
2日目
歩行時間 5時間47分 歩行距離 8km
行程 鳳凰小屋05:56→カラ沢06:21→賽ノ河原06:49/06:54→地蔵ヶ岳06:58/07:04→賽ノ河原分岐07:05→カラ沢07:14→鳳凰小屋07:31→五色ノ滝08:18→白糸ノ滝08:44/0848→鳳凰ノ滝分岐09:33→鳳凰ノ滝09:45→鳳凰ノ滝分岐09:55→鳳凰ノ滝分岐(青木鉱泉側)09:59→滝展望台分岐10:21→カラ沢11:13(→砂防ダム11:20→カラ沢11:28)道間違い→工事現場11:40→青木鉱泉11:56→同駐車場11:58
山遊日 13/08/02〜03

青木鉱泉駐車場 青木鉱泉テント場
 中央道韮崎ICから国道20号線に入り北上、しばらく走り、その後左折し小武川沿いに南下します。所々未舗装の悪路もある細い道を走り、右に御座石温泉分岐を見送り先に進むと青木鉱泉に到着します。
 駐車料金は鉱泉の受付へとの案内があるのでトイレ拝借も含めて鉱泉へ向かいました。一日800円、二日で1,500円とのことでした。中道コースなので車道を戻らなければと思っていたのですが近道がありました。薬師ヶ岳の案内を見て鉱泉前のテント場からドンドコ沢に降りられるのです。
ドンドコ沢の仮橋 右岸の山径
 二つの仮橋を渡るとドンドコ沢の右岸に渡れ、沢沿いの山径が南西に延びています。
西に薬師ヶ岳








 右前方(西)の谷間に、これから向かう薬師ヶ岳が見えます。
林道を南下 御所山、甘利山分岐
 林道に出たら薬師ヶ岳の案内に従い右折で南下します。その後に御所山、甘利山方面の分岐を左に見送り、そのまま進みます。
中道登山道分岐 中道登山道の案内標識
 その後も二ヶ所ほど右に曲がる分岐があるのですが薬師ヶ岳の案内に従い、そのまま進むと右側に壊れかかった小屋が見えてきます。その先が中道登山道の分岐で二つ目の小屋が前に見えます。右折すると中道登山道の案内があり、そこを左折で西へ進みます。
 指導標に薬師岳山頂4時間30分と書いてあるのですが4に×がしてあり、その上に6と記入されていたり、薬師岳小屋の案内になるべく4時迄に到着して下さいと当たり前の事が書いてあると共に急登なので自信のない方は無理をせずに引き返して下さい、などと物騒なことも記されており少々不安になってしまいました。
大昭和山林部 カラマツ林の急斜面を大きなジグザグで
 小屋に大昭和山林部と記されています。大昭和製紙の現場宿泊施設だったのでしょうか。すぐ横にも、もう一つの小屋が建っていました。いきなりカラマツ林の急斜面を大きなジグザグで登ります。ここが一番きつかったのかも知れません。
楽な尾根径 伐採地
 尾根に乗ったからと云って、急に楽になる訳ではありません。比較的に尾根の北側を巻いた時が、こんな楽ちんな径で、南西に向かう小さなジグザグは斜度がきつい傾向がありました。普段2〜3時間ぐらいの登りだったら休まずに済ます場合もあるのですが今日は長丁場、1.5時間に一回の休憩と考えていたので伐採地の丸太に腰を下ろして休憩としました。
林道出合 厳しい登り径
 直ぐ先が林道出合でした。最初から予定を決めておくのなら、ここを休憩地とした方が分かりやすいでしょう。また林道と云っても草だらけで、ここまで車の利用は少ないのでしょう。この後も厳しい登りは続きます。
西に薬師ヶ岳








 右前方(西)の樹間に、また薬師ヶ岳が見えてきました。
薬師岳まで3時間 苔岩
 薬師岳山頂3時間の指導標が出て来ました。4時間半−3時間=1時間半なのに中道登山道入口から2時間は越しています。この先どうなることかと、ガスが出て来たことも併せて、また不安になってしまいました。えいや〜予定通りに進もうと決心し、休憩から1時間半が経ったので苔むした岩に腰を下ろして休憩です。
御座石 少し緩くなった登り径
 カラマツからシラビソに変わった頃から何組かの下ってくるグループと出会いました。もう直ぐ御座石だと励まされて、未だ未だ続く急な斜面を登り続けたら御座石でした。ここで軽食休憩、ここからの登りは、いくらか楽になったようです。
平坦な径 最後の登り
 樹層が薄くなったと思ったら山径も平坦になってきました。もう直ぐ藥師ヶ岳かと思ったら、また登り径です。
岩山







 ハイマツに変わったら足下がザレて来ました。うっすらと掛かったガスの先に岩山が見えます。やっと藥師ヶ岳にたどり着いたのでしょうか。
赤丸マークの岩 岩山
 赤丸マークの付いた岩の間を進みます。途中からマークが無くなったのですが、とにかく高い方へと岩山の天辺を目指しました。
藥師ヶ岳







 ガスが薄くなったら西側の低い方に三角櫓や山頂標識らしい物が見え、人影も見えます。どうも、そちらが山頂のようです。
藥師ヶ岳の肩 藥師ヶ岳の山頂標識
 先程の所まで戻り左(西)に進めば良かったのです。お目当ての白峰三山どころか何も見えないのですが、取り敢えず藥師ヶ岳の山頂標識をカメラに納めました。
ゴゼンタチバナ シャクナゲ コガネギク
 御座石の手前で急登に汗を流していた頃、日陰に咲いていたゴゼンタチバナ、シラビソの樹林帯から灌木に変わる頃に見つけた咲き残りのシャクナゲ、今を盛りのコガネギクです。
東側の岩山








 さっき中腹まで登った東側の岩山です。地形図上でも・2780地点は、そこになっています。
南東側の岩山








 南東側にも岩山があるから、よけいに、やっかいです。ガスが切れなかったら遭難していたかも知れません。
北西に延びる尾根








 恒例のモロキュウにビールも済んだので北西に延びる尾根径で観音ヶ岳に向かいましょう。
ヒメコゴメグサ タカネビランジ タカネビランジの白
 ルンルン気分の尾根径は花畑でもありました。ヒメコゴメグサ、南アルプス固有種のタカネビランジ、ピンクだけではなく白花もありました。
観音ヶ岳に向かって








 ガスが切れてくれれば良いのですが、なかなか思うにまかせてくれません。
観音ヶ岳








 思っていたよりも早く観音ヶ岳が近づいてきました。
山頂直前の岩 観音ヶ岳の山頂標識
 岩の間を抜けて観音ヶ岳に到着です。
ここが最高地点かな?






 ここも山頂標識が一番高い場所にある訳ではありません。鳳凰三山の最高地点に立たねばと岩の上に登りました。ここが最高地点かなと思い南東の藥師ヶ岳を振り返りました。
二等三角点観音岳 本当の最高地点
 回りを見渡したら、もっと高いのは別の岩で、その麓に二等三角点観音岳の標柱が置いてありました。本来は根元が地中に埋まっているものなので点の記で調べてみたら「成果異常」となっていました。こちらが本当の最高地点で地蔵ヶ岳の方を眺めました。
北西の地蔵ヶ岳








 北西の地蔵ヶ岳は時々、見えそうになるのですが、なかなか姿を現してくれません。
尾根径を北西へ









 尾根径を北西へ下ります。
振り返って見た観音ヶ岳









 振り返って見た観音ヶ岳です。
下りの尾根径 見えない地蔵ヶ岳
 尾根を下るのですが相変わらず、見えそうで見えない地蔵ヶ岳です。
この先がザレ場の急降下








 この先がザレ場の急降下となります。
鳳凰小屋分岐の指導標 鳳凰小屋入口
 ザレ場を下りきって赤抜沢ノ頭との鞍部が鳳凰小屋の分岐になります。地蔵ヶ岳までは後30分と、いくらも無いのですが、ガスの中を行ってもしょうがないと思いショートカットで鳳凰小屋に降りることにしました。
北東に急降下 ハシゴ
 北東に下る径は思った以上の急降下で最後はトドメのハシゴまであり、下りでは珍しくコースタイム40分を3分上回ってしまいました。
沢の先に鳳凰小屋








 小さな沢の先に鳳凰小屋が建っていました。
タカネシオガマ カラマツソウ シナノオトギリ
 鳳凰小屋へ降りる途中に咲いていたタカネシオガマとカラマツソウ、小屋のお花畑で最初に見つけたシナノオトギリ。
ヤナギラン テガタチドリ ホウオウシャジン
 咲き始めのヤナギラン、久しぶりに見るテガタチドリ、それに鳳凰三山固有種のホウオウシャジンまで見ることが出来ました。
早朝の鳳凰小屋 地蔵ヶ岳まで1km
 小屋生活での個人スペースは一畳分しか無いのですが(それも上下二段)、小屋前のテーブルで沢水割りにして飲んだ500mlの焼酎、17時の食事時の日本酒200ml(500円也)で、ぐっすり、爽やかな夜明けを迎えました。(左は壁、右側に10数人が並ぶ雑魚寝、隣の人は、さぞや迷惑なことだったでしょう)
 17時の夕飯は二回に分けて食べるほど盛会だったのですが5時半の朝食は一回で済み、それに空席もありましたから大半の人は夜明けと共に弁当を持って出発するのでしょう。昭文社の地蔵ヶ岳へのコースタイムは1時間20分、覚悟をしていたのですが1kmの案内が立っていました。もう少し早く着けるのか、それとも余程の急登か、どちらかでしょう。
カラ沢越え シラビソの樹林帯
 カラ沢を越えシラビソの樹林帯を西に登ります。
樹間にオリベスク








 右前方(西北西)の樹間に岩山が見えます。地蔵ヶ岳のオリベスクでしょう。
カラ沢越え ザレた山径
 カラ沢を左に越えるとザレた山径になります。結果的に、この辺が地蔵ヶ岳までの約半分で30分程度でした。
北西にオリベスク







 右前方(北西)の直ぐ近くにオリベスクが見えるのですが、ザレ場なので、ゆっくり登らないと疲れてしまいます。
東側の雲海








 晴れていると思っていたのですが眼下の東側には雲海が広がっています。雲の上の晴れ空なのでした。
賽ノ河原分岐






 賽ノ河原へ向かう分岐となりました。先ずは賽ノ河原から見てみましょう。
賽ノ河原








 賽ノ河原の後(西)が赤抜沢ノ頭になります。
賽ノ河原の北西側








 先に進み右(北西)側を見て驚きました。おびただしい、お地蔵様の群、そして甲斐駒ヶ岳。
甲斐駒ヶ岳









 先ずは甲斐駒ヶ岳。
左横後に乗鞍岳









 その左横の乗鞍岳をズームで。
奥穂高岳、槍ヶ岳








 右横後には奥穂高岳、さらに右横の槍ヶ岳は槍の穂先まで、はっきりと見えます。
さらに白馬岳まで








 さらに後立山、白馬岳と続くのでしょうが小生の判断力では及びもつきません。
東に地蔵ヶ岳








 今日の本題である地蔵ヶ岳に向かいましょう。
地蔵ヶ岳の山頂標識








 東に3〜4分で地蔵ヶ岳の山頂標識がある所に到着します。
東にオリベスク






 ここも地形図上の・2764m地点はオリベスクですが昨日、鳳凰三山の最高地点に行っているので省略(オリベスクも中間までは素人でも行けるのですが頂上に立つには岩登りの技術が必要)で、山頂標識がある所の一番上から回りを眺めました。
南西に赤抜沢ノ頭







 南西方向に赤抜沢ノ頭。後から考えると、あと10分で、ここまで行けば白峰三山が眺められたのかも知れないと、何時もの後悔をするのでした。
西にアサヨ峰









 その右の西に見えるのだからアサヨ峰でしょうか。
?









 はて、これは何処だったのでしょうか。
賽ノ河原の分岐から観音ヶ岳








 この時は、これで満足し、そのまま東に下り右前方(南東)に観音ヶ岳を眺めて昨日のことを思い出すのでした。
鳳凰小屋、ドンドコ沢分岐 地蔵ヶ岳にガス
 鳳凰小屋に戻りドンドコ沢コースの分岐に入ります。後を振り返ると地蔵ヶ岳に薄いガスが、かかり始めました。
沢沿いの径 樹間の坂径
 沢沿いや沢を通る時には、なだらかな径なのですが、左の樹間に入ると勾配の厳しい下り径に変わります。
五色ノ滝 白糸ノ滝
 先ずは五色ノ滝ですが、ここから少し歩かなければならないのと、ガスが掛かっているのでパスです。さらに30分ほど進むと白糸ノ滝になりました。地蔵ヶ岳から1時間40分ほど歩いているので、ここで休憩、滝も眺めて見ることにしました。
五色ノ岳











 ところがガスではっきりしませんでした。白糸ノ滝辺りから登ってくる人の姿を見るようになりました。青木鉱泉からのコースタイムが3時間20分ですから夜が明けて直ぐに出発したのでしょう。
御座石に似た岩 崩落地
 御座石に似た岩があったり、ちょっと危険な崩落地などもありました。
鳳凰ノ滝分岐 鳳凰ノ滝分岐
 鳳凰ノ滝分岐で休憩中の人と立ち話をしていたら滝の方から若者のグループが降りてきました。「5分掛けて行くだけの価値があるのか」と尋ねたら「十分、二本の滝が・・・・・あ、これは見てからの、お楽しみ、言わない方が、でも5分で行けるのかな?」と、にこやかに答えてくれたので寄ってみることにしました。
鳳凰ノ滝











 なるほど、なるほど両側から二本の滝が落ちている珍しい形で見る価値はあるのですが、問題は徒歩5分が実際は10分の駅前不動産屋と同じ案内でした。
青木鉱泉・精進ヶ滝の指導標 鳳凰ノ滝の指導標
 帰る途中に右折で青木鉱泉・精進ヶ滝の指導標があったのですが踏み跡が薄いので安全第一と元の径に戻りました。しかし4分ほど進んだ先に鳳凰ノ滝の指導標があったので、ここは小生の判断ミスによるロスタイムでした。
沢の徒渉 滝展望台分岐
 鳳凰ノ滝の直ぐ先にある南精進ヶ滝は、どういう訳か気付かずに見ることが出来ませんでした。何度か沢を徒渉すると滝展望台の分岐になりました。ここは鳳凰小屋の親爺さんからも「下の径で問題はない」と聞いていたので迷わず右(南)側の沢コースを選択しました。
名無しの滝












 直ぐ右(南)側に滝が見えてくるのですが、名前は見当たりません。
ロープで急降下 東洋大学ワンゲル部道標
 直ぐ先でロープの急降下となりました。また、その直ぐ先で地蔵岳分岐と記された東洋大学ワンゲル部の指導標が立っているのですが、どのコース図にもそのような径は見当たりません。
沢を徒渉 穏やかな巻き径
 沢を二つほど徒渉すると穏やかな巻き径に変わります。そして南東の樹間に昨日通った中道登山道に向かう林道が見えます。
東斜面を急降下 カラ沢へ降りる
 東斜面をドンドコ沢のほうへジグザグに急降下します。青木鉱泉はもう直ぐなのでしょうか。北に向きを変えて進むとカラ沢の横に出て左折の案内がありました。
砂防ダム 沢への降り口まで戻り対岸へ
 何気なく、そのままカラ沢を下ったら砂防ダムになり先へ進めません。明らかな道間違いです。岩に赤丸マークが付いた沢の降り口まで戻り、辺りを見渡してみたら、何のことはない、直ぐに対岸に渡るのでした。この間15分のロスタイムです。
 言い訳になりますが、このカラ沢の右(東)側にドンドコ沢があるので、青木鉱泉はカラ沢の右岸に有るはずだ。滝展望台分岐から1時間近く(正確には52分)歩いているので直ぐ近くにあるはずだと云う二つの「はず」が誤りの原因でした。ちなみに、このカラ沢は砂防ダムの先でドンドコ沢と合流します。
この先にさっきの砂防ダム 工事現場
 カラ沢の左岸に移り、先に進んだら右側の樹間に先程の砂防ダムが見えて来ました。状況が分かっていれば、そこからこの径に出られたのです。もうそろそろと思っていたのですが砂防ダムの工事現場に出てしまいました。
再びドンドコ沢の左岸へ 青木鉱泉分岐
 このまま左岸を進む径は通行止め、ドンドコ沢の右岸に移り林道を北上、先で左折で左岸に戻ります。しばらく先に進んだ所でやっと青木鉱泉の入口になりました。
青木鉱泉 青木鉱泉駐車場
 道間違いや工事中の迂回が有ったとは云え遙かにコースタイムを越しています。思いの他の計算違いでした。美味しい冷水を飲んで駐車場に向かったら満車状態になっていました。
ヤマホタルブクロ コバノイチヤクソウ ヤマホトトギス
 地蔵ヶ岳の麓に咲いていたヤマホタルブクロ、ドンドコ沢コースで見たコバノイチヤクソウ、ヤマホトトギス。
カニコウモリ マルバタケブキ ムシトリナデシコ
 カニコウモリ、マルバタケブキ、工事現場の林道脇に咲いていたムシトリナデシコ。
南アルプス







 韮崎手前の国道20号線から南西に見た鳳凰三山らしき山です。自信は無いのですが、それでも南アルプスと云う事だけは間違いないでしょう。

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